仕事に対する情熱や考え方など、同じ職業ではなくてもすごく勉強になる「プロフェッショナル仕事の流儀」ですが、次回13日(月)で取り上げられるのは、『書体デザイナー』の【藤田重信】さんです。

書体についてほとんど考えたこともなく、デザインされて作られたものであるのも知りませんでした。明朝体とゴシック体くらいしか知らないので、今回は藤田重信さんがデザインする書体について勉強したいと思います。お付き合いください。

目次

  1. 藤田重信さんのプロフィールや経歴は?(1ページ目)
  2. 藤田重信さんは異端児?(1ページ目)
  3. 藤田重信さんの作った書体がMacに搭載?(2ページ目)
  4. 藤田重信さんの年収や今後は?(2ページ目)
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藤田重信さんのプロフィールや経歴は?

藤田重信

名前:藤田 重信(ふじた しげのぶ)

1957年生まれの59歳です。詳しい生年月日はわかりませんでしたが、来年還暦を迎えられるんですね。昔より還暦のイメージが若くなってきていますよね。おじいちゃんと呼ぶにはまだ早い年齢な気がします。

福岡県出身の藤田重信さんは、福岡県太宰府市にある筑陽学園高校デザイン科に入学されました。

筑陽学園

引用:筑陽学園高等学校

筑陽学園高等学校には現在4つの学科があります。特別進学Sクラス、特別進学クラス、進学クラス、デザイン科です。高校自体は進学校なんでしょうね。デザイン科を希望し進まれた藤田重信さんは、入学した時点でもう将来を考えていたのでしょうか。やりたいことがあるってことは大きな力になりますし、夢があるのは素敵なことですね。

在学中はレタリングが得意だったようです。そして在学中に先生から、『写真植字機研究所』への就職を勧められました。写真植字機というのは、

写真植字機(しゃしんしょくじき)は、写真技術を応用し、作業者の入力に応じて印画紙に文字を出力することで組版を行い、印刷用の版下を作る装置。写植機と通称される。光を使って版下を作るタイプライターとでもいうべきコンセプトで作られている。引用:wikipedia

写真植字機は、石井茂吉さん森澤信夫さんのふたりによって発明されたもので、ふたりは写真植字機研究所という会社を立ち上げ、より新しい写植機の開発に勤しんでいたようですが、その後石井さんと森澤さんは別れ、石井さんのほうは「写研」、森澤さんのほうは「モリサワ」(設立当初は「写真植字機製作株式会社」だっだようです。)という会社を設立しました。

「書体の写研、機械のモリサワ」等とも呼ばれていたようで、美しい書体を数多く世に出していた写研は、業界でナンバーワンのシェアを誇り「世の印刷物の70%が写研の書体である」とさえ言われるような大きな会社に成長していきました。

藤田重信さんは、石井茂吉さんが設立した株式会社写研に1975年に入社され書体について多くを学んでいきました。刺激を受けた書体との出会いもあり、かなりたくさんの経験をされた藤田重信さんですが、1998年に、フォントワークス株式会社に入社し書体開発部 所属となりました。そして現在は、フォントワークス株式会社の書体開発部部長として活躍しています。

藤田重信さんは異端児!?

写研に入社したのち、出会ったのが、石井中明朝(MMOKL)と本蘭細明朝(LHM)の二つの書体です。石井明朝は写研の創業者である石井茂吉氏が制作した、写研の主力の明朝体です。一方の本蘭明朝は、当時発売されたばかりの比較的新しい明朝体だったようです。初めは本蘭明朝に魅力を感じていた藤田重信さんでしたが、手書きのイメージを持ち曲線が美しい、そしてオールドなスタイルである石井明朝に惹かれていき、その後写研に置いてあった文字に関する書物なども読みあさり、ますます石井明朝に傾倒していったようです。自分もこんな書体を作っていきたいと思われたことでしょう。

書体作りはフォントワークスに入社しても続きますが、読みやすいだけでなく、フォルムの美しさや個性的でありながらも美しさを感じさせる書体を藤田重信さんは作り上げていっています。その独特の書風と既成概念にとらわれない作り方から、藤田重信さんは書体業界で“異端”と呼ばれる存在になっているようです。

でも、デザイン・芸術の世界って異端とされている人の活躍が目立ったり、記憶に残る作品だったりしますよね。信念があるからこそ、自信を持って世に書体を生み出していると思います。

書籍のタイトルや商品パッケージ、テレビやインターネットなどの分野で、これまでに130種類以上の書体を生み出してきた藤田重信さんですが、代表的なのはやっぱり『筑紫書体』でしょう。

筑紫明朝

藤田重信さんの故郷である福岡県筑紫地方の名前を書体につけているので、とても大切にされているんだなと思います。筑紫明朝は、活字や写植文字のよさも取り入れふくらみを持たせることで魅力を表現しているようです。

書体って、芸術なんだなって思わされました。簡単には作れません。角度一つや読み手が良いと感じるように作り上げていくんですね。作り上げる時のアイデアなどが、他のデザイナーの方と違うので、異端って呼ばれてしまうんでしょうね。

【過去に登場したプロフェッショナルの方達】

摂食嚥下のプロ、現在の職場や講演は!?看護師・小山珠美

藤田重信さんの作った筑紫書体がMacに標準搭載!?

藤田重信さんの年収については次のページで!