7月2日(土)のフジテレビ系で放送される「土曜プレミアム・知られざる脳の真実!!世界を変える奇跡の力~今夜解き明かされる人類のフシギ~」
とても興味深いですよね。こういう番組大好きです。人体の秘密とか、夢のように思っていたことが現実にあったりとか、知れば知るほど人間ってすごいと思います。
今回は脳についてです。私が最も興味を持ったのが、全盲者の方が、音を使って「見えている」かのように自転車などものれるという『エコーロケーション』と呼ばれるもの。
そしてその第一人者である【ダニエル・キッシュ】さんについて調べてみたいと思います。
目次
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ダニエル・キッシュさんについて
ダニエルキッシュさんは、現在50歳だと思われますが(2013年の記事で47歳とありましたので)、生まれつき両眼性網膜芽細胞腫―網膜がんを患っていました。
7ヶ月の時に右目を摘出、13ヶ月の時に左目の摘出をしたそうです。
13ヶ月で、盲目となり、幼い頃の見えていた時の記憶はもうないと言ってもいいくらいでしょうか。自分の記憶を辿っても1歳の記憶って、全然ありません。
ダニエル・キッシュさんのご両親は、息子さんを皆と同じように自由と責任を持って育つべきだと考えていたようです。
ご両親は、息子さんがいつか家を出て一人で暮らしていかなくてはいいけない、困難なこともたくさんあるということも受け入れて、子育てをされていたそうです。
実際ダニエル・キッシュさんは18歳で実家を出て、暮らし始めたそうです。
そんな盲目であるダニエル・キッシュさんですが、13ヶ月で両目を摘出してからほどなくして、小児用集中治療室を問題なく歩き回っていたそうです。
その時のダニエル・キッシュさんは「舌打ち音」を立てながら歩いていたそうです。どうやって覚えたのか、習得したのかもわからないようです。
舌打ち音を立てると音波が放たれて、周囲にある物に当たってかすかな反響が返ってきます。それを耳でとらえて、脳でイメージに変換するんです。いわば、周囲の環境と対話しているようなものですよ。
引用:ナショナルジオグラフィック 日本版サイト
舌を鳴らすことによって、返ってくる音の微かな違いから、イメージに変換して私たちが目で見るのと同じことを脳で、イメージしているのですね。
それを子供の頃から自然とやっていたなんて、不思議ですね。
ダニエルキッシュさんが習得した、エコーロケーションとは?
手術後から、問題なく動き回っていた、ダニエル・キッシュさん。それには舌を打ち鳴らし歩くことがポイントとなっているようです。
音の反響を受け止め、それによって周囲の状況を知ることを反響定位というそうです。英語では、エコロケーションあるいはエコーロケーション(echolocation)といいます。
出展:反響定位wikipedia
誰に教わるわけでもなくダニエル・キッシュさんが習得していたのは、このエコーロケーションだったようです。
音の反響から情報を受信すれば、そこから物の位置や自分との距離がわかるようです。音による受信ですが、聴覚というよりも視覚に近い働きを持つそうです。
この能力を利用しているのが、小型のコウモリです。小型のコウモリは、目が小さく耳が大きい特徴を持ち、口から間欠的に超音波の領域の音を出して、その反響からまわりの木の枝や、虫の位置を知るそうです。
エコーロケーションによって得られた情報は、ダニエル・キッシュさんにとっては、私たちにとっての光のようなものだそうです。
ダニエル・キッシュさんの脳は、ご両親のおかげで視覚野でイメージを形成するように活性化されているようです。
エコーロケーションで得た情報から像を結べるようになっているようで、これがダニエル・キッシュさんが盲目であることを通じて 学んだ「見る方法」となっています。
ダニエル・キッシュさんは視覚障害者の支援団体「ワールド・アクセス・フォー・ザ・ブラインド」を作り、世界30カ国以上でこの見る方法を伝えています。
多くの人はすぐに成果が表れるようで、ダニエル・キッシュさん自身も驚き、人間は本来エコーロケーションの能力を秘めているのではないかと考えているようです。
視覚に頼れない分、その他の感覚を総動員して知ろうとすると、能力は伸びていくんでしょうかね。
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